東京都の五輪誘致に水をさすほどの気はないのですが・・・・
猪瀬都知事の無神経ぶりと、政策のプライオリティ(優先順位)のつけ方に
疑義があります。
まず、イスラム教とトルコに関して失言の域を超えた発言の酷さと、その後の収拾策の拙劣さを前記事にまとめましたが、
これまでの、流れ。
・猪瀬都知事、NYで“東京五輪”をアピール
・他の五輪候補都市トルコイスタンブールと、あろうことか国際的タブー、イスラム教の批判。
・NYタイムスで批判され、自分の真意が伝わってない、と突っぱねる。
・NYタイムズはそれを受けて「間違った記事は書いていない。当方は会話をすべて録音してある」と強気。
・とたんに猪瀬知事、トーンダウン。弁解しながら歯切れの悪い謝罪もどき。
・他都市に敬意を払って招致活動を続けると発言。しおらしくなる。
・しかし、テロ事件の翌日ジョキングパーフォーマンスに、新たに批判が起こる。
・と共に、夫人を同伴、ぞろぞろ職員12名も引き連れての長期旅行であったこと、
その経費が不明朗であることを批判されている。 ← 今ここ
過去記事:見苦しいぞ猪瀬都知事
http://blog.goo.ne.jp/inoribito_001
五輪誘致のTシャツを着込んで、セントラルパークをジョギングのパーフォーマンスをしたのが、あろうことか、あのボストンでの爆発テロの翌日なのです。
死者も出て全米が喪に服している時に、この方は何を考えていらっしゃるのか・・・
たとえば、日本で同様の爆破テロがあり、その翌日にニューヨークの市長が
五輪誘致のTシャツを着て皇居のお堀の周囲をジョギングしているのを見て、
都民が、そして国民が好意を抱くでしょうか?
都知事の胸のこのロゴが、ネガティブな印象で撒き散らされなかったでしょうか?
テロの翌日ですから、ニューヨークのみならず、全米がその報道一色で
国民が哀悼の意を表している時ですよ?
時期的にまだ犯人すら判らずテロの目的も不明で、恐怖感と怒りが全米に満ちていた時です。
そして・・・
ブルームバーグNY市長に都知事は、「テロ行為で死者が出るということは非常に残念。しかし東京五輪が実現すれば、東京の安全、安心については、常に少しも気を許すことなく考えなければならない」とアピール。
ボストンでは安全安心に気を配っていなかった、と取られそうな談話です。
テロ翌日の皆、神経がピリピリしている時に、この言い方はないでしょう。
トルコやイスラム圏と較べての無神経発言と、ずさんさは同じ根っこでしょう。
また安全面を言うなら、北朝鮮の脅威が色濃く政府は全神経をそちらへ向け、東京都も厳戒態勢をとるべき時期ではなかったかと。結果的に何もなかったわけですが、だからよかったということでもないでしょう。
あと、驚いたことにはご本人がファーストクラスで出向いたのはよいとして、
夫人同伴。(海外での社交は夫婦単位だからそれはいいとして・・・でも、
皇太子殿下もオランダでさえ、時に一人なんですよね)それに、なんと、秘書他職員12人を、引き連れての大名旅行。しかも5泊6日。公費を投じての慰安旅行でしょうか。
その大所帯の5泊もの出張にいくらかかったのだ、と問われて都は「渡航費は未清算のためお答え出来ません」?????
成田NY間の渡航費、人数分の宿泊費、アメリカ国内の移動費。
そんなに複雑な計算でしょうか?
誘致に都税75億円を使って、失言、暴言、大名旅行。
都のエネルギー政策や地下鉄24時間化計画などに伴う視察に加えて、
東京五輪のアピールが目的だそうです。
こうまでして都民はまだ五輪を東京で開催して欲しいのでしょうか。
楽しみにしている人たちもいるのでしょうから、そこに水さす気は
ないのですが、誘致に懐疑的な都民(理由は先稿に述べました)も
発言の権利はあるでしょう。
五輪誘致にフルにエネルギーを費やしていらっしゃるようですが、
直下型地震、原発事故対策、と危機管理のほうは大丈夫でしょうか。
何よりも、せっかく昔から変わらぬ友情を日本に抱いてくれているトルコに
程度の悪い悪口を浴びせたことが残念です。
批判したからといって、猪瀬都知事全否定ではありませんが。
【追記】日本とトルコ、その絆。助けられたり、助けたり。
画像は「ぼやきっくり」さんのサイトから拝借致しました。
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ttp://kukkuri.jpn.org/boyakikukkuri2/log/eid1085.html
【追記】
その後の猪瀬都知事の言動
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130502-00000084-mai-soci
トルコ側とは謝罪するのではなく「世界史について語り合いたい」と話すなど、強気の姿勢を貫いた。
「他都市に触れるつもりはなかった」と、質問者に一定の誘導があったとの見方も示唆した。
注:この期に及んでまだ見苦しい言い訳!
猪瀬知事は発言撤回後の1日、自身のツイッターで「今回の件で誰が味方か敵か、よくわかったのは収穫でした」などと書き込み、ネット上で批判が殺到した。この点については「正当な批判なら敵ではない」と釈明。また、昨年8月にもイスタンブールやマドリードより東京が優位だとのツイートをし、後に削除したことを認め「(当時は)行動規範を詳細に認識していなかった」と述べた。
注:最後の最後までみっともない・・・・