政治家でも、言論人でもないので、その言動が見過ごされがちな反日文化人ともいうべき人たちがいて、すでに物故者ですが平山郁夫画伯もそうでしたが(近日中に記事にアップします)
裏千家の実力者の方にも首を傾げる言動が多々見受けられます。こちらはべべこも看過していたのですが、裏千家教授を名乗る方の、朝鮮学校教科書無償化運動家への協力、「千利休は朝鮮人の可能性」「日本の茶道は朝鮮から影響を受けている」発言に仰天して記事にしたのをきっかけに、調べて見て、ああそうかこういう教授の存在も、大元が実はそうなのか・・・と思ったしだい。 http://blog.goo.ne.jp/inoribito_001/e/fd1d52d6932c8421baf2ca497fd25e24
コメント欄で繰り返し述べていますが、表と裏の茶道のお点前の優劣論ではありません。その姿勢の比較論です。
政治問題に関心を抱く人たちには「茶道」など興味も薄い分野ではありましょうが「全ては通底しています」。言論人が看過しがちな存在であるからこそ、文化人の仮面をかぶった反日者の存在は危険です。知らぬ間に水面下でじわじわとその周辺に影響を及ぼして行き、広がって行きます。表立った政治活動ではないがゆえに、人は無抵抗で影響を受けます。
これが中国で報道されていることにご注目ください。もし、中国のチベットへの暴虐批判者なら、こういう報道はなされません。2010年5月30日。
【来日した中国の温家宝首相から「中日友好貢献賞」授与の栄誉に浴した裏千家前家元の千玄室氏。翌日には文化人との座談会にも招かれ、同首相と懇談しているが、中共機関紙人民日報(電子版)は、そのときの千氏の様子をこう伝える。
「銀髪の千玄室先生は灰色の和服を着て飄逸とした表情。すでに百回以上訪中している先生は日本茶道会の対中友好交流を開いた先駆者だ」】
中共機関紙人民日報がかくも称える裏千家の最大実力者千玄室氏。
この時、温家宝との対談での千宗室氏の発言。
「かつて?小平先生に献茶したとき、『茶のルーツは中国だが茶道は日本で盛んになった。茶道で重要なのは平和の心だ』と強調された。両国文化の共通文化は大切にされたい」
・・・茶道で大事なのは「一碗からpeacefulness」だと、場違いの英語で地球市民的立場から「平和」を強調する氏にふさわしい発言で、このきれいごとの発言を人民日報も持ち上げていてウソっぽいこと限りもないのですが、ではなぜ、平和を提唱する千玄室氏が100回も中国を訪れながら、チベットウィグルへの中国の侵攻、暴虐をいっさい口になさらないのか? いや、なさらないからこそ、温家宝も温顔で迎え、人民日報も持ちあげるのだけれど。今、この国際情勢下で、中国や韓国に「表彰される」ごとき人物がいかなる立ち位置にあるか。ことにも、自国の覇権・権益にシビアで冷酷な中国共産党が友情を示す存在がいかなるものか容易に知れましょう。
中国が「中日友好」を言う時、それは対等な位置関係での友好ではあり得ず自国に有利で日本を下に置いた状態であり、この点に関しては韓国も全く同じですが、その中国が「「中日友好貢献賞」を与える千玄室氏。氏の立ち位置を語るに、多くの言葉は必要なさそうです。
千玄室氏は産経新聞にコラムを連載されていたようですが、その中で氏は、「人馬一体で友好の祭典へ」というタイトルで北京五輪への協力を日本人に呼びかけています。
いわく「中国は何としてでもこれを成功させなければ、国としての面子が立たないし、一党独裁の政治力が失墜する恐れも出てくる。しかし、隣国の韓国と日本は、この祭典が穏やかに、そして楽しめるものになるように、是非とも支援をする必要がある。アジアが一体となって、世界に平和を発信させていくよき機会である」(8年7月6日掲載)
一党独裁の政治力が失墜、とは、また大胆な本音を漏らしたものですが、いったい氏の唱える世界平和と中国の一党独裁がどう共存するのでしょう? 氏はなおも綴ります。
「折角の友好親善の場となるスポーツの祭典が、一部の心なき人々によって妨害されたり、万一の何かが起こったりしないように、警備をしっかりとして、参加する人々が快く観戦できるように手配されることを当局に望んでいる」
・・・・これを言いたかったのですね。聖火リレーの妨害への牽制でしょう。あれは、フリーチベットを叫ぶ人たちのやむにやまれぬ運動で、彼らこそが世界平和の希求者でありました。その彼らを、悪しざまに罵り排除した中国人留学生達の暴力に関しては氏は触れません。氏が茶道に託して唱える「平和」とは中国の一党独裁が世界を制覇することを前提にしてのことなのでしょうか?
氏は同じコラム欄の別の記事で綴ります。
「国土交通省の前原大臣から要請を受け、観光親善大使をお受けすることとなった」(同年6月13日)
「あの」前原さんが目をつける人物。現地の事情を知っている人から言わせれば、「普通の日本人」が朝鮮人の焼肉屋のおばさんと家族づきあいすることなど絶対にあり得ない、と言わしめた前原さんが親近感を持ってアプローチする存在。千玄室氏も民主党とのつながりを隠しもしていません。それはいいでしょう、政党支持は個人の自由です。しかしながら、氏の主張なさる世界平和と折り合いのつかない言動が多過ぎはしないでしょうか。
「観光立国である日本は、外国では見聞できない独特のものを広報し『もてなしの心』で温かく海外の人々を迎えるように心がけて、国民一人一人の迎えようとする協力がなければならない時期にきている」
この発言を敷衍すれば、「多民族共生」「中国人一千万人移民受け入れ」にもつながりかねません。前後の文脈からそう受け取られても仕方がない、ということなのですが。氏はなおも「独特の」価値観で日本の歴史を批判します。
「日本では1549年から1600年くらいの間、キリシタンが許されたので、布教に基づいて外国文化を見聞きし知識を得ることができたのである。・・・織田信長はポルトガル人イエズス会宣教師ルイス・フロイスを安土城に招聘するなど、将来を見る目と視野の広さがあり、一時は日本を新しき方向にと向けたのだが、残念ながら本能寺の変で夢と消えてしまった」
「豊臣秀吉は、隣国を配下に治める野望で朝鮮に軍を進める」(はて、そうでしたっけ?)
「千利休は側近の一人として、この野望を何とか止めようと大納言秀長とともに牽制するのだが、石田三成や小西行長などの独走でままならず、大徳寺山門建立などにより、謀反ありとの理由で切腹を命じられた」
「隣国と一体化となるための大きな心で政策を進めていたら、今ごろの日本はもっと立場が良くなっていたことであろう。とかく日本の島国根性的な偏見で、事をなそうとした歴史的なことどもは痛恨の極みである」
「また徳川時代にもっと幅広く諸国との交流をなしていたならば、日本人の外国に対する思いや考え方も深まり、世界の人々が日本をある程度、理解してくれたことであろう」
隣国つまりは中国、韓国と一体になるのが氏の唱える平和の理想像なのでしょうか。また日本の鎖国は本質的に海外からの植民地化政策から逃れるための防御壁であり、氏の筆致が言うごとく島国根性からではありません。鎖国により、日本独自の文化も花開き、茶道もその一つではなかったでしょうか? あの当時、訪れていた宣教師たちが平和をもたらすための存在ではなく、日本植民地化のための尖兵であったことを、千玄室氏はご存知ないのでしょうか? ポルトガル人やスペイン人が単なる交易のために来ていたとでも無邪気に信じ込んでいらっしゃるのでしょうか?あの時代に隣国との一体化を、仮に千玄室氏の言うごとくなしていたら、それは明朝主権の華夷秩序の下に入り、朝貢を行う以外になく、日本にはそれを行う必然性は何もなく、跳ね返すだけの交易力と誇りがあった、それすらご存じないほど千玄室氏は無知なのか、あるいは承知の上での確信犯的発言であるのか、何しろ中国からお褒めの賞状をいただくほどの「やり手」ですから解りません。
千玄室氏の言葉はおそろしく誰かの主張に酷似しています。そう、あの愚かの極みで、ほとんど病気レベルであった鳩山由紀夫氏の言葉です。
「旧政権と大きく違うのは東アジア共同体を積極的に構想することだ。役所間の軋轢が障害になっている部分もあるが、日本を世界に向けてひらく。もっともっと開国させる。開かれた国益」という言葉をあえて使いたい。日本という国がまだ鎖国的な意識を持っている。一人一人の心の壁を取り除くことが大事な発想だ」
「日本列島は日本だけのものではない」ルーピー発言は、更に外国人参政権付与へと連なり、となれば論説が鳩山氏とほぼピタリと重なる千玄室氏も、必然的にそのお立場であるのではないでしょうか?
【(日本の)保守的で自閉的な情緒を感じ取れる。「永住外国人に地方参政権を付与するのは社会文明の発展的な必然であり、社会進歩の体現でもある】(日本新華僑報ーー在日中国人メディア)
肝心の自国で外国人参政権など及びもつかず、それどころアンチは投獄、死刑の現状で言いも言ったり、ですがこの日本新華僑報と全く同じ立場にあるのが鳩山由紀夫氏であり、千玄室氏ではないでしょうか。
こうした中国の身勝手な言い分に立つ「日本人」は、当然のごとく親韓、媚韓派である、これは必然です。その精神的DNAに於いて、永遠の宗主国と属国なのですから。
千玄室氏・・・韓国中央大学大学院課程修了。韓国・中央大學校より文学博士号を授与される。韓国・翰林大学より名誉学位及博士号を授与。
また千利休の流れを組むその源流(という言い方が正確なのかどうか解りませんが) http://www.omotesenke.jp/ 「表千家」と千玄室氏が実質実権者である裏千家 http://www.urasenke.or.jp/textb/message/message.html との差異をそれぞれのHPで見比べてみると、自ずと千玄室氏のビジネス面における「日本人らしからぬ」さまが見えて来ます。
表千家 茶の湯の歴史や心構え、美、「和」のふるまい(日本の伝統の粋としての茶道の精神論主体)
裏千家 専門学校 短期大学 全国稽古場案内 茶道文化検定 講習・研修会ご案内(金儲けにつながる記事がやたら多い)
拙稿に都合のいい偏ったトリミングをしているわけではありません。ご不審ならどうぞ、ご自分の目で表と裏、両者を比較なさってみてください。
それと気になるのが、千玄室氏のご子息の奥方が、千 容子(せん まさこ )さんで、元皇族である点です。三笠宮崇仁親王と同妃百合子の第二女子。旧名、容子内親王。千宗室(茶道裏千家第16代家元)夫人。
ごく率直に言えば、千玄室氏の立ち位置からしてこの日本を主軸にした価値観の方だとはお見受けしません。皇室への反日カルトの接近ぶり侵食ぶりは今まで記事にして来た通りですが、考え過ぎの懸念を押してもなお、一つの疑念を抱かざるを得ないのです。
茶道を心得ぬ身には過ぎた記事でしたが、茶道という和の最たる世界にさえ、「彼ら」はもれなく入り込んでいるのだなあ、というのが素朴な実感です。千玄室という方の人物そのものにある基本的な疑念を抱いています。