あー、やられちゃったなあ、うっかり見過ごして気づかなかった・・・と臍を噛んだのがTPPの翻訳なんです。なんでこういう単純な詐術に気づかなかったのだろう?
TPPの正式名称は、Trans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreement または単に Trans-Pacific Partnershipです。
いずれにしてもTrans-Pacificで始まる。
ところが、うっかり見落としていたのはここの翻訳で、これが「環太平洋」となっている。
誤訳です。環太平洋なら、Pan‐PacificでTrans-Pacificではありません。
ここに着目。
環太平洋 ⇒◯Pan-Pacific ☓Trans-Pacific
ですから、Trans-Pacificで始まるTPPを「環太平洋」と訳すのが間違いなんですね。Trans-Pacificは本来、
1 太平洋の向こうの
2 太平洋横断の
といずれかの、訳でなければなりません。TPPの意図的? 誤訳以来、
ネット内ではあたかもTrans-Pacificが「環太平洋」であるかのごとき
一種の洗脳状態になっていて、それはそれで不気味なのですが、
Trans-Pacific=太平洋の向こう、アメリカではないですか。
ん?・・・・となると、TPPって環太平洋ではなくて、対アメリカってことではないのですか? 要するに日米2国間のFTAってことですね。日米二カ国でGDP(国内総生産)の91%を占めるのですから。「環太平洋」って、ほぼ影も形もないではありませんか。日米間が基本なのに、なぜ霞ヶ関のお役人が「環太平洋」とあたかも、「皆んな一緒」的翻訳をしたのか、そこに問題点が実はあるような気がしなくもないのです。だって腹に一物なければ、敢えてこういう初歩的誤訳を霞ヶ関の優秀なお役人がするわけもないでしょうに?
【ワシントン坂口裕彦】安倍晋三首相は22日午後(日本時間23日未明)、オバマ米大統領とホワイトハウスで初めて会談した。環太平洋パートナーシップ協定(TPP)について「一方的に全ての関税撤廃をあらかじめ約束することを求められるものではない」ことを確認し、共同声明を発表。
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こういう報道でもTPのTPが「環太平洋」であるという誤訳を平然と出しています。
文字通り「環太平洋」であるならば、環太平洋地域(Pacific Rim)として、ニュージーランド、チリ、中国、シンガポール、オーストラリア、台湾、カナダ、フィリピン、ペルー他を網羅せねばなりませんが、本来TPPは2006年5月にシンガポール、ブルネイ、チリ、ニュージーランドの4か国で発効した経済連携協定であります。拡大交渉中のTPPについて、加盟国・交渉国に日本を加えた10か国でのGDP国内総生産を比較すると、上記述べたとおり域内GDPの91%を日本とアメリカの2か国が占めているために、実質は日米のFTAだとする見方もあります。
いや、実質日米間のFTA= Free Trade Agreement=自由貿易協定でしょうよ。 それをなぜ「環太平洋」などと大風呂敷にくるんで提示されるのか、そこにいかがわしさを感じる、と単純なことを述べるのに随分字数を費やしてしまいました。
TPPに関してはずっと(おぼつかないながら)反対を表明して来ましたが、今日はその整理がてらTPPへの「疑問」という形で書いてみます。
まず不思議なのは民主政権下では盛んであったTPP反対論が自民党態勢になってから、さっぱり下火になったこと。これは安倍自民にまかせておけば、何も間違いはないという、今とりわけネット内に充満している安倍政権信仰とでもいうべき気分からなのでしょうか。
疑問の2番め。参加により日本のGDPが上がると言われていますが、その額は
2,7兆円で結構な金額のようですが、これは10年間のトータルであって、こんなもの誤差範囲内の数字です。
日本が貿易大国になるために、という言い分ですが、日本はすでに貿易大国ですし、貿易に対して閉鎖国でもありません。世界でも有数の低関税国です。今更、何を改めてこの貿易体制を変える必要があるのか、そのメリットがどうも見えづらいのですね。デメリットに比して、という意味ですが。
農産物が取り立てて言われていますが、それは農産物に限り関税率が高いからです。しかしながら自給率を確保するためには当然の措置です。
むろんそれにより、農村が甘やかされ利権体質になっている部分がありますが、それはまた別問題です。
日本はたとえ鎖国をしても、自力で食べて行ける国です。文字通り「食べて」行ける国です。気候温暖で土地も肥え、海の幸、山の幸、野の幸、川の幸。そして汚染されていない水資源。世界情勢が激変しても、日本は生きて行けます。
但し目下の自給率は4割程度。これがTPP参加で更に激減することを、おそれます。
先進国の中では自給率が異常に低くありませんか? 世界情勢が剣呑な中、危険だと思います。石油が入らなくても人は餓えませんが、食料を海外に頼ってそこを断たれたら、万事休すです。
更に食の安全の確保は出来るのか。今でさえ、韓国の糞尿まみれの魚介類が禁止もされず日本に輸入されている状況なのに? 中国の重金属を含んだ汚染米も入って来ています。TPPにより自由化され安い食料が市場に出回るようになった時、いったい日本人の食生活はどうなるのか。大丈夫なのでしょうか。遺伝子組み換え食品も入り放題です。
海外からの労働力の流入も治安という意味で、心配です。今でさえ、中韓人のニューカマーが増えるに連れ、街も住宅街も殺伐として来ています。総ての原因が外国人にあるとは言いませんが。
ヨーロッパの失敗に学んで東アジア共通通貨などは、よもや言われないとは思いますが。
あと知的財産の共有も懸念点です。日本のブラックボックス技術も公開せざるを得なくなるのではないでしょうか。中韓に盗まれ放題のアニメ技術なども心配です。
単純に言えばアメリカのためなんじゃないですか?
そもそも発端は2010年、不況下のオバマ大統領が思いついたTPPの利用法。自国の輸出を5年で倍に増やすと選挙公約で言ったので、ドル安政策に加えてもっと積極的に何かはしないといけない。
そこで、ひらめいたのがTPPを利用して日本を引きずり込み、アメリカが儲ける。APECもいずれ視野に入れるとするか・・・?
いずれにしても何とか日本を参加させ、日本にIT製品、農産物を買わせればよい、それも大量に、だ。というオバマの腹に一物の声掛けに応じたのが反日に加えてバカの菅直人で「平成の開国」と口走り始めました。鎖国なんてしてないでしょう? 世界で有数の低関税国でしょう? 日本はすでに優秀な貿易立国なんですよ?
という発端の、茶番劇ではないでしょうか。
ことTPPに関しては我ながらおぼつかない点もあり・・・・で、心配な点をとりあえず並べてみました。皆さんはどうお考えでしょうか。