もともと安倍自民に期待する余りにそれが過剰なお神輿担ぎになっている向きがあることを
懸念していましたが、相変わらずその傾向はあるようで、その結果ひいきの引き倒しに
なっている論を散見し、いかにも危うげです。
安倍自民への個人的評価も期待もむろん自由なのですが、そのために安倍さんの
妙な動きに関しても黙視はまだしものこと、賛美というのは国のためにならぬでしょう。
「参院選を勝ち抜くまでは」を護符にして、やりたい放題やらせるのが
いいことだとは思いません。大量得票の揺り戻しの危険性は皆無ではありませんが
経済で大きな失態をせぬ限り、まずは自民大勝でしょう。むしろ、問題は
「そこから先の運営」ではないでしょうか。
「安倍自民信仰派」はネットでの意見を過大評価しています。
持ち上げようと貶めようと、しょせんネットです。現代ではネットも
多大の発信源にはなっていますが、まだまだ規模は日本人の
意見のほんの一画を占めるに過ぎません。それを前提に
こちらも是々非々で、支持を基本前提に認める点は認めるが、批判も手控えはしません。
貶めるのが目的の批判と峻別出来ぬ愚かな相手なら、そこまでです。
むろん、満点の政治家はいないし、外交上の駆け引きは長期視野に立った
俯瞰で眺めねばならぬことは承知。その上で、安倍さんの短兵急な
親韓路線に対してのみは危惧せざるを得ません。過去、実績も多大な方ではあり
それゆえにこそ、拙ブログでもとりあえず支持なのですが、こと対韓国外交に
関しては拙速、稚拙の感を抱かざるを得ません。いや、いっそ奇異の念すら
抱きます、この韓国への異常な媚び方は何事なのだろう、と。(在日焼肉店での
安倍さんの言動にはもう触れません。しかし外交もしょせんその一連の
流れにあるとは感じています。少なくともネット内愛国派のシビアな感性を安倍さんは、
共有してはいません。ここにも安倍信者さんは幻想を抱いています)
浮動票に関しては、対韓国外交に嫌気が差しての自民離れはむしろあるかもしれませんね。
ただ立ち位置の確固としたネット内愛国者はブレないでしょう。他に選択肢がないのだから。
せいぜい少数が、維新の党の石原さん頼みで票を投じる程度でしょう。
まず相手の出方を見計らいつつ、こちらがどう出るかを見定めるのが外交で、
微笑とナイフの使い分けは常識。ところが政権発足もまだせぬうちから、
石破さんのお喋りで外に漏れてきたのは、その時点で予定調和的に
はや、親書を持たせて特使を派遣する構え満々。特使もすでに額賀さんと
名前まで政権発足前から世間に知られ、しかも額賀さんは日韓議員連盟の
幹事長で、サラ金からの企業献金が問題にされた人。サラ金と言えば
在日の多い業界です。のっけから韓国にべったりの特使を派遣するのが
外交でしょうか。
外交イロハの駆け引きも何もありはしない。結論ありきの外交と言われても
仕方が無いでしょう、政権発足前から敷かれていた親韓路線なのですから。
挙句、靖国神社の放火犯は引渡しを拒絶され中国へ送還されるという
屈辱的な仕打ちを受け、それでも面と向かった抗議はゼロ、額賀さんは
「日韓友好」を仕組まれたシナリオ通りニコニコと「お願い」して、そのお返しに
朴槿恵新大統領からは「歴史問題を直視せよ」と痛烈な一言。
竹島も従軍慰安婦も話題に出なかったというが、「歴史問題」とはそれらを
含んで、更に強制連行、日韓併合と韓国は日本を責め立て、ゆすり
たかりを今後も続けるという新大統領の早々とした宣言ではないですか。
話題に出なかった、とは何を脳天気なことを言っているのでしょう、
子供のお使いではあるまいに。
安倍さんはといえば、日本国内の片隅で日本人記者を相手に怒ってみせるだけで
そんなもの韓国に通じるものか。「強く抗議」という新聞見出しは「過褒」です。
以下の画像は産経新聞の紙面ですが、一連の対韓国外交の流れ、
これ素朴に「外交」になっていますか? 一方通行に堕してはいませんか?
日本が屈辱感を耐えての特使派遣なのに、額賀さんは怒号の中を移動。
本来は、韓国が高笑いをするほどの、日本の過度に謙虚な外交姿勢なのですが。靖国放火犯の中国への引渡しはあたかも、額賀訪問の前日。狙い澄ました
先制攻撃であった可能性が大です。
「歴史問題を直視」と匕首を突きつけてきた朴槿恵新大統領へ日本は
ただお愛想笑い。その上、韓国新大統領を日本へお招き申し上げる。ということは、天皇陛下にお目もじ叶うことになるのでしょう。
おそらく、韓国内の諸事情に鑑みて、朴槿恵大統領は天皇陛下に
会釈とてしない。かつての李明博がそうであったように。習近平が
傲岸な見下ろし方で天皇陛下に接したように。ゴリ押しで反日国家の
習近平を宮中に押し込んだ小沢一郎と安倍さんのやり口と、(天皇の政治利用という点では)
どこが基本的に違いますか?
朴槿恵新大統領は、親韓派と見做されているがゆえに日本に対しては
見かけなりとも厳しくあらねばなりません。
額賀特使に火病し「偽切腹」した男はソウルの日本大使館に車で突っ込んだ男ですが執行猶予です。日本という一つの国に僅かなりとも敬意があればあり得ない判決です。
相手は世界でも稀な反日の領土侵略国の大統領なのです。なぜわざわざこちらからお願いして日本にお招きした上、天皇陛下を使って会わせるような無礼なことを仕組むのでしょうか? 李明博現大統領の侮辱発言からまだ日は浅い。一国の首相の親書を郵送で突き返して来た国に、ここまでへりくだる根拠は何でしょうか。
韓国が経済戦略上、また防衛の地政学上、看過出来ない国で
あることは事実。しかし「最も大事な国」とまで持ち上げ「価値観が共通」とまで
親しみを表明、日本がかくまで膝を屈し相手の無礼な仕打ちを
耐え、誇りを踏みにじられてまで慇懃に遇さねばならぬ相手でしょうか?
経済的に、また防衛上、日本がかくも卑屈に対さねばならぬ理由を
国民の前に納得できるよう明示していただきたいと思います。
同盟国のアメリカに先駆けて韓国大事のその姿勢はいかなる
根拠に基づくものでしょうか。日本は韓国に対してそれほど弱い立場にありますか? 弱みがあるとするなら、それは日本ではなく自民党内の悪しき勢力にあるのではありませんか? 朴槿恵新大統領がいまだ「行政権を持っていないから」という額賀氏の言は矛盾に満ちた詭弁ですが、それには触れません。
はたで思い込んでいるほど自民党と民主党の間に画然と境界線があるわけではなく、自民党内にも民主党的なるものが潜んでいることは再三、申し上げている通りです。
拙ブログの趣旨を要約するなら「安倍自民を支持はしても、批判精神を忘れては国が危ういこともある」です。政権は目的ではなく、国民が使いこなすべき手段です。担ぎ上げる対象ではありません。批判無き支持は盲信です。
付記すれば、人事に関しては韓国に厳しい人たちを配していて、それが安倍さんのバランス感覚の部分であるかと思われます。そこに今後の期待をまだしも、つなぎたい。