いや、橋下徹氏の頭の良さに驚嘆しました。従軍慰安婦について赤旗の新聞記者に突っ込まれた時の、シャープなかわし方に関してです。
それに引きかえ、安倍晋三氏と奥様の・・。
拙ブログは是々非々主義を心がけているので、橋下徹さんを褒めたからといって即橋下さん支持ではないし、安倍晋三さんをけなしたからといって、安倍さんの全否定論者だというわけではありません。
以前、デヴィ夫人の証言を記事に引いたら「あんな人の言うことを。がっかりしました」とコメント欄に頂きましたが、言ってることが正しければその限りでは、そこは評価します。えらそーな言い方で恐縮ですが、是々非々は自らにも心がけていますのでご寛恕くださいませ。
と前置きが長いのは、総裁選を目前に安倍さんを批判するとあたかも安倍おろしに取られかねず。そうではなく、安倍さんが河野・村山・宮澤談話の見直しをおっしゃったので、おや、それなら「晋三・昭恵談話」の見直しもなさって、仕切り直ししなければそりゃ道理に整合性を欠くし、総裁になったらなったで首相になったらなったで、後々までアキレス腱となって突かれ続けますよ、ということなのです。そうです、強制はなかった、という閣議決定は他ならぬ安倍内閣だったのですから!
CNN取材で従軍慰安婦に謝罪する形になってしまった安倍晋三・昭恵夫妻の「談話」の拙さについては、すでに記事にしました。(安倍さんは謝罪の事実はないと仰っているようにも仄聞しますが、少なくとも謝罪と取られてもしかたのない言質を取られてしまったのは事実。昭恵夫人に至っては、その当時強制された従軍慰安婦の存在を、よもや信じていらした? と疑われても仕方のないお答えのなさり方でした)
まず、橋下徹さんの模範解答から。
橋下 「(領土問題について)従軍慰安婦という問題が根っこにある」(べべこ注;この言い方について違うと批判もあるようだが、通底しているという意味で間違ってない。竹島も慰安婦と同じく捏造を根拠とした韓国のダーティな外交カードです)
橋本「強制連行があったかどうかの確たる証拠はなかったというのが日本の立場」
ここに韓国メディアは猛反発。赤旗の記者も突っ込んだ。
赤旗「河野談話では総じて強制連行の事実を認めているが、河野談話を見直すべきということですか」
橋下「07年の閣議決定はどう書かれてました?」
赤旗「すみません・・・・(安倍内閣で出された閣議決定を知らない様子)」
(要するに本来の論点は、強制がほぼあったとする河野談話と、なかったという安倍内閣の閣議決定とどちらを尊重するかという話で、河野談話は官房長官の単なる談話であり、閣議決定のほうが重い。しかし赤旗の若い記者は無知だった。けれども、多くの国民が混同、混乱している点でもあると思う。河野談話は、安倍内閣で否定された、という言い方も出来る)
橋下「(強制の)証拠がないのだから(もし強制と言いたいのなら)赤旗が出せばいいじゃないか」
赤旗「・・・・・・」
橋下「韓国は強制的に連れてきたこと、それとも慰安所自体を問題視しているのかわからない。現代社会でも、いわゆる性を商売にすることは世界各国である。倫理的に良くないという話と、強制的に連れて来たから謝るという話は別問題」
橋下「世の中に風俗店は山ほどある。でも、強制的に連れて来て無理矢理働かせたということでなければ、倫理の問題でしょ。謝罪の問題ではない」
書いてしまえばなんという事もないのだけれど、慰安婦問題の混乱を短い言葉でずぱっと総括して鮮やか。この一点において、安倍さんは混乱した回答をしてしまったのです。学歴の差を言うのはいやらしいけれど・・・まあそれはいい・・・・安倍さん、何かを補うようにアメリカに"留学”に行っているけれど、ここもドロップアウト。根気と粘りという点で心許ないところではあります。枝葉の話に逸れました・・・・。
橋下市長の論点は、売春の倫理面と強制とを曖昧にしたのが河野談話であり、
橋下「日韓の関係をこじらせる元凶だ」
・・・・全くもってその通りで、韓国とて強制の従軍慰安婦がいたなどと信じてやしません、李明博をはじめとするトップは。竹島の領有権もね。信じたふりをしているだけ。国民は幼少期から刷り込まれ信じこまされているので、もしいつか国家の壮大な嘘が露呈する日が来たら、彼らのアイデンティティは崩壊の混乱にさらされるでしょうね。長きにわたりカルト教を信じていた信者が、いきなり真実を突きつけられて自我の崩壊の危機にさらされる事例にも似て。
さて・・・・CNNから赤旗と同じ種類の質問を受けた時の安倍さん夫妻の対応ぶりを再録しておきます。橋下さんの回答ぶりと比べてみてください。
2007年4月、訪米の前日24日、安倍首相は、昭恵夫人と共に、CNNテレビのインタビューに応じたのだが、その光景がテレビ朝日の「報道ステーション」で流された。
CNN記者「(昭恵夫人に)あなたのご主人は、慰安婦問題で強制の証拠
はないと言っているが」
昭恵夫人「(少し驚いた表情で安倍氏に)そんなこと言ったんですか?」
なぜ驚くのか、それをなぜ安倍氏に確認するのか、考えられるのは昭恵夫人が本当に強制の慰安婦はいたと信じこんでいた。ということなのだけど?
ともかく、これを発端として、安倍氏の次の言葉が世界を駆け巡ります。
安倍「20世紀は数々の人権侵害が行われた時代で、日本も無関係ではなかった。
慰安婦の方々に大変申し訳ないと思っている」
昭恵夫人「同じ女性として慰安婦の方々には本当にお気の毒だと思う。主人はその当時の状況に対して申し訳なかったと述べている」<朝日新聞 25日>
安倍首相は、26日昼、ワシントンに着くと早速、米議会議事堂でペロシ下院議長
(民主党)ら与野党の議会指導者と会談。<慰安婦問題の対日謝罪要求決議案が審議され
ている下院外交委員会のラントス委員長も出席。>
出席議員によると、ここでも、首相は元従軍慰安婦に対する「深い同情の気持ち」
を表明。また慰安婦問題をめぐる自らの一連の発言について、「自分の真意と違う形で
伝わっている」と説明したという。<時事通信 26日>
橋下さんの回答ぶりに比していかに拙かったか、よく分かると思います。ただ・・・ここへ来て初めて、付記することですがものごとを公平にするためにアメリカの状況を書いておきたいと思います。2007年、安倍さんが訪米した時、アメリカの反応は「強制された」か否かより慰安婦がいた、というのが倫理的に問題視されていたのです。
詳しくはこちらが解りやすい。
http://www.okazaki-inst.jp/2007/05/post-51.html
(抜粋)
これは全米の有権者の3分の1に近いといわれるエバンジェリカル(福音伝道派)が絶対的に主張する人権問題なのである。強制の有無などは問題ではない。慰安婦制度そのものが悪なのである。そして米国内では新聞を含めて何人もこれに抵抗できない。
人権問題は過去と現在を区別しない。しかも時代は変わっている。国連平和維持活動(PKO)の兵士たちの買春は処罰の対象となる時代である。PKOの兵士が、相手は強制された女性でないと言っても、他の軍はやっていると言っても何の意味もない。弁解がましいとして印象を悪くするだけである。
・・・・・・
というわけで、安倍さんのある種の混乱ぶり、対応への苦慮のさまには今思うと無理からぬ点があり、このブログ主は、阿部さんの「20世紀は人権を無視した時代であり、日本にも責任がある。同情の意と謝罪の念を表明する」という発言を評価しています。
しかし、拙ブログでは当時の(現在でもでしょうが)アメリカの背景に、一定の理解は示すにやぶさかではないながらも、しかしながらやはり安倍さんの答え方は十分ではなかったと言わざるを得ません。夫人に至っては論外です。夫人は政権担当者でもなく、とりあえず脇に置くとして、従軍慰安婦の問題は「(訪米時の)その場がしのげればいい」というものではない。「慰安婦に謝罪してしまった」その言葉は、ひとり歩きして現在も残っているわけですから安倍さんは、その真意を改めて発信し直す必要がありますよ、というのが拙ブログの趣旨であります。
それにしてもアメリカは、なんという偽善の国でしょう。日本に進駐当時の米軍の婦女暴行の頻発をいかに釈明するつもりか。米兵相手の慰安所が設営されていたのに、アメリカの夫人団体からの横槍で廃止、そのとたんにレイプが増えたという現実をどう見るのか。
それより何より、ヒロシマ、ナガサキへの悪魔の実験で、一般人の大量虐殺を赤子まで含めてやらかしながら、なんの「たかが」売春婦買いのモラルだ。その、おきれいな口を閉ざしなさい。あなた方の手は、必然性のなかった大量殺戮の血で濡れているのだ。
・・・・・いや、珍しくアメリカに矛先を向けました。日米同盟あるがゆえに、それを受け入れているがゆえに自ずと節度は心得ていますから普段は控えていますが。
しかしながら外交の場に正義も倫理もありゃしません。どう対処し、どう相手をねじ伏せ、自らに有利に導くか、それが総ての価値であり、安倍さんはとりわけ、日本の政治家たちの不得意とするところです。相手は自らを棚に上げ、日本の弱点を何十倍にも拡大してつついてくるいやらしい連中なのです、支那韓国北朝鮮に限らず。
安倍さん、もっと、したたかに。そう提言します。それと奥さんに喋らせないで。国民はあなたの奥様に付託しているわけではありません。反原発含めて政治的口出しはさせないでくださいませ、けじめです。
以下は安倍さんのアメリカ入りの当日にワシントン・ポスト紙に載った従軍慰安婦の意見広告です。ここでもおそらく故意に強制の有無を曖昧に、慰安婦がいたという人道的問題で語られ、当時の慰安婦がいかに高給であったか、とか慰安婦は実は日本人も大勢いた、とかは書かれていませんね。
そもそも日韓二カ国間の問題は日韓基本条約という国際法上有効な条約で完全に解決済みであることも無視しています。また、日韓基本条約締結時には。慰安婦問題自体が俎上にすら上らない、つまりはその時点では日韓双方にとって「取るに足りない些細な」問題であった。そこにも触れません。日本は責任を取らないという論調ですが、違います。日韓基本条約という形で、責任は十二分に取っています。その後民間の必要のない補償の団体も設立されています。日本は謝罪をしない、とワシントン・ポスト紙の論調はあたかも韓国の言い分の代弁のように理不尽ですが、ビジネスとして合意で成立していたことに対して何を謝ればいいのでしょう? 謝る必要のない事柄に対しても、折々に政治家たちは侘びの言葉を口にして来ていますよ?
慰安婦の存在に関して多くの証拠があると書いていますが、そんなもの日本政府は否定していません。軍の管理のもと、慰安所が営まれていたのは事実なのですから。否定したのは「強制の」慰安婦の存在です。慰安婦という名の売春婦の存在がいいか悪いか、それは別の問題です、橋下さんの言うとおりです。
橋下さんはさすがに、口をつぐみましたが現在日本国内にいるとされる3万人〜5万人の韓国人売春婦のことは、どう考えるのでしょうね、おきれいな口先のアメリカの倫理団体は。ベトナム戦争時の韓国兵による現地女性の「性奴隷化」に対しては、どうなのでしょう。なぜ日本だけをやり玉に挙げるのか。いずれの国に行ってもアメリカ兵によるレイプと売春婦買いは付き物でしょうに。
まあ、おのれの悪事は棚に上げ、正義と倫理をになって世界の警察官を任じて来たのがアメリカです。アメリカという国には便所も生殖器もないようにきれいぶって来ましたが、こら、大嘘つきめが。ー笑ー
マイケル・ホンダの名も見え、どのみち在米韓国勢力が仕掛けたことだと思われます。つい最近までキーセン売りの売春立国であった韓国が、なにをちょこざいな。
18歳という年齢がさも罪悪のような筆致ですが、当時と現代の肉体的成熟度が全く異なります。「十五でねえやは嫁にゆき」という三木露風作詞の「赤とんぼ」の童謡がそれを示しています。それに14歳の娼婦とはどこから引っ張りだして来た資料に基づくものでしょうか。往時の新聞の募集広告には「十七歳以上」「十八歳以上」と明記されています。近年韓国が徐々に「被害者」の年齢を下げてきていることと呼応して、こういうガセネタに対しても、当時の当事者であり、また閣議決定の主である安倍さんは、きちっとけじめをつけるべきです。・・・というのが、このところ繰り返し述べている拙ブログの趣旨であります。
その当時に朝鮮半島で十代前半の少女が「性奴隷」とやらで、強制的に駆り集められていたとしたら、そこでは暴動が起きています。そんな痕跡は皆無です。韓国側の聞き取り調査によってもゼロという結果は出ているのです。第一、単なる慰安婦がなぜ従軍慰安婦と後に名を変え、ついで強制の従軍慰安婦、しまいには駆り集められた性奴隷と名をエスカレートさせて変化させられたのでしょう。それを考えただけで、おかしいと思わねばなりません。事実なら名称や年齢が時代によって変わることなどあり得ないからです。南京大虐殺とやらの被害者人数が年々増えていったのと同質のいかがわしさです。
安倍さんの実績に対する評価は高く、安倍待望論も多いですね。ですから、このような拙ブログの主張も脇に押しやられそうですが、しかし安倍さんの時として感じる政治的足腰の弱さが、こういうけじめのつけかたの、なおざりさ加減に現れているのではないでしょうか。長い活躍を祈るなら、むしろ見逃すことはためにならないでしょう。
せっかくの閣議決定を覆すごとき発言には、決着をつけてください。それが真の強さです。きっちりと率直に説明なさればいいことですよ、当時の事情も含めて、発言の至らなさを認めて、謝罪の上、上書きすれば、かえって安倍さんの誠実さに信頼が増すと思います。
さらに・・・
安倍さんは当時から拉致問題にも関心を示し、ブッシュ大統領ともその件を話したかったようですが、従軍慰安婦に謝罪してしまうとアメリカの論調は当然「20万人もの朝鮮女性を拉致しながら、何を言っているのだ」となります。いや、なりました。それは解るでしょう? しっかりしないと、慰安婦問題は拉致の問題にも悪影響を及ぼすのですよ。ここは昭恵夫人にも正確な史実をお勉強していただかないと。もしご主人を介して政治問題に口を挟まれるのなら。(挟むべきでないと思いますが)
「旧悪」を蒸し返すようですが、河野談話他の見直しを口にされるからには、必要なけじめではないでしょうか。首相当時の安倍さんの従軍慰安婦問題への対応が、今に尾を引いていることがいくらかでも解って頂けたでしょうか? そこに奥様の賢明とは言えない対応があったことも。
安倍さんの総裁選出馬になんの異論もありませんが、その前にけじめを、と言い続けているのは、安倍さん自身の慰安婦問題への発言の見直しをしないままだと、また旧態依然の弱腰外交の自民党に戻るだけではないかという懸念を感じるからです。ある種の腰の弱さを自覚した上での再スタートであって欲しいと願っています。過去の轍はくれぐれも踏まぬよう。
再生自民のためには禊ぎが必須ですが、安倍さんがもし総裁におなりになるなら、安倍さんの禊ぎじたいが自民党の禊ぎとなります。
アメリカも国力の低下は否めない上に鳩山さんという稀有の愚かな首相が日米同盟を弱体化させてしまいました。ここは、安倍さんもそう望んでいるでしょうが自民党の党是の精神に戻り、押し付け憲法の廃棄、自主憲法の制定を考えてはいかがでしょうか。軍隊を持ち核をいつでも持てる状態にして一人前の独立国となれば、アメリカも慰安婦ごときでガタガタ言いません。大体自国の問題でもないのに、何をおごりたかぶっているのだか。ま、それはいい。自衛隊を国防軍に昇格させて、アメリカから戦闘機をバンバン買えばよいです。関係は良好になり韓国ごとき弱小国のゆすりたかりに、アメリカが巻き込まれることもなくなります。
自民党はなんのために出来たか? 自主憲法を持つことを目的に出来ました。
それを、妙な脇筋に走って蛇行するから国民に見捨てられるのです。本流保守となって、再生してください。いまだに何をしようとしているのか解らない。総裁選の報道以降、従来の自民党への真摯な反省の言葉を聞いたのは今のところ石破茂さんだけです。
付記
さて、拙稿への批判・・・それは橋本市長への批判でもありますが、もし来るとすれば内容は予見できます。おそらくその代表的意見がこちらに集約されているかと思います。
//nanumu.blog59.fc2.com/blog-entry-282.html
反駁文は可能なのですが、ネット記事としては膨大になりますので割愛します。
強制従軍慰安婦はいなかった。でもお互い合意の売春婦はいた。それが悪いか。
この三つの言葉で締めくくろうと思います。