Quantcast
Channel: BBの覚醒記録。無知から来る親中親韓から離脱、日本人としての目覚めの記録。
Viewing all articles
Browse latest Browse all 3008

特別付録 「原始物語」フィクション

$
0
0


 読者の方が思わぬことに小説の連載をコメ欄で始められ、これが絶好評。
もったいないので、流れが判るようまとめてくれとの要望があり。

完成まで連載、完成後に削除します。コメント欄における連載は、なぜか「日本」を理解できない橋下徹という「外国人」 でです。http://blog.goo.ne.jp/inoribito_001/e/607d6036b9e7c1e26b8b35d2ebbe3f5f

実在の人物にはいっさい関わりあいないそうです。

では・・・

 

「原始物語」 作 紫痔気侮

性的な表現と同性愛が不快な方は、スルーなさってくださいませ。18

 

いずれの、おほんときにか・・・・


ここは吉原遊廓の一角にある女郎屋「高窓」。

下女のお絢(本名カメ)が、タッタカタと長い長い廊下を拭き掃除、突き立てたお尻から、思わずプッとひると、ちょうど通りかかった遣り手婆のお久が、キセルでパンっとお綾のお尻を叩き、鼻を袂で塞ぎながら

「いやだよ、お店の口開けに縁起でもありゃしない」

そこへ、湯上がりでぞろりと通りかかったのが、この高窓では二番手の女郎、お承。

器量も体もこの店では悪くないのに、客をとっかえひっかえ、挙句妙な病を得て、こしけおりもの、長い間売り物にならず、今もお茶っぴき状態だった。

「ちょいと、お久さん。あんた、お典をあんな名代の神社さんに売り飛ばした凄腕、なんであたしには使ってくれないのさ。境内でのお練りはまるで、花魁道中じゃないの。あんな、地黒のマントヒヒが、このあたしをさしおいて、あたしは悔しくって、胸が焼けるのよお」
 

するとお久は口を歪め、お承の居室に無言で入り、火鉢の火からキセルのタバコに火をつけ、ぷかりと煙をお承の眉の薄い顔に吐きかけて、

「やりまん女郎は、いかにあたしの凄腕でも売りようがないのさ」
 
するとお承は、

「何言ってやがる。おぼこでもないお雅を江戸城にまで送り込んだあんたがさあ。おまけに、あのアマ、朝鮮人じゃあないか。おまけに穢多非人」
 
言われてお久は、眉をひそめカンカンっと、キセルを火鉢でうち叩き、
 

「父親が凄腕で、上玉に仕立てあげたから、こっちも売りやすかったんだが。
しかし、まあ、あのアマ、もちっと気働きよく銭をくすねてくれるかと思えばあんた、亭主と共に下手打って瓦版に絵師の絵つきで書きた立てられ、おまけにひり出した子は玉無し、でくでくと無駄に母娘で豚におなりだよ。母親のほうは、お典の祝宴に耳垢をこびりつけ、江戸一番の料亭に現れたってじゃないか」

 お承は、鏡台の前にしどけなく横座りして、水白粉をべたべたと浅黒い肌に塗り込めながら、

「それはそうと、お典が嫁いだ神官さんは衆道のほうだって言うじゃないの。それも湯島の陰間茶屋で赤いべべ来て客を取るほうの側だって。どうやって子を作るのさ」

 言われてお久は、フンと鼻を鳴らし、
 
「因果は含めて送り出したんだ。朝勃ちを狙いなと。
いかに男色のウケであろうと、勃つものは朝に勃つ。すかさず、裾ひらいて、よっこらしょとまたがって、てめえでエンヤコラと、腰を振ればいいのさ」
 
「萎えないかしら、もともとの女嫌い」
 
「さあ、そこも抜かりはないさ。
神官の栗さまにも伝授はしてあらあさ。
江戸随一の浮世絵師の男色枕絵を渡してあるから、それを見ながら、かきたてるか、目をつむって元々の合い方の殿御のお顔を必死に考えなさいましと」
 
そこへはたきを手に入ってきたのは、下女の絢(本名カメ)である。
 
「ねえ、お久さん。あたいは掃除に飽いてきた。あたいも、売りに出たいな」
 
言われてお久は、お綾の裾を腰巻きごとめくりあげ、覗き込み、
 
「ふん、顔はブサイクだが、ここは色目もいいし、使えるかもしれないね。今夜からお店に出てみるかい」
 
「まあ、うれしいっ」
 
「けれど、相手はシシババ好きの朝鮮人だ。前だけでなく、後ろも使うけど覚悟はお有りかい。さっきのてんしき(屁)の勢いからしたら、後ろも締まりがいいと見た」

「して、あたいの初客のお名前は」

「上方の飛田新地から最近ここらにシマをうつした、ハシゲ右衛門と、江戸代官の鱒添久根(ますぞえくね)さ。三つ巴がご所望だ」

この夜の出来事のいちぶしじゅうは、変態瓦版「毎日」に書かれることとなりました。


 
売りでも、相手が朝鮮なだけにウリのほうだったという、どこかで止めないと際限もなくなるお話でございます。

その2

いずれのおほんときにか。
女郎屋「高窓」での物語、続きでございます。

さて、下女をしていたお絢(本名カメ)が、めでたく女郎へと格上げ、初夜は朝鮮人のハシゲ右衛門と、日本人を装い江戸の代官を勤めてはいるが親の出自は半島の、鱒添久根(くね)。
 三つ巴で、との注文なのであった。

「オモニさぁ」

と鱒添は久に語りかけた。
禿げ上がった額が精力絶倫を思わせ、目がいささか狂気を帯びていて、わけのわからないことで火病を起こすので、お久はこの客には腫れ物に触るように接している。

「お久、今夜はお前も床の相手ばするとたい」
高窓屋では郷里の九州弁を喋る鱒添久根であった。

「まあ旦那、ご冗談を、おほ、おほ・・・やだ、旦那が妙なことおっしゃるから、あたしゃあ久々に腰がうずきますのさ、おーーほほほご冗談を」

すると横合いからハシゲ右衛門が関西弁で、

「嘘言うたらあかんで。球蹴り屋の皮鞭三郎次と、しっぽりいい仲で、ぱっくん、くねくねと、あれこれ、しよるやんけ。変態瓦版『毎日』は、俺の愛読新聞なんやで」
 
ハシゲ右衛門が言うと鱒添久根が目を血走らせ、

「お主!? 今ぱっくんくねくねと言うたたいね?」
「ああ、言うたがどないした?」
「その言葉に俺は発情したばい! 俺にお前ばやらせんね!」
「え゛、あ、兄貴、い、い゛や、やめ・・・」
「ああ、ぱっくんくねくね、こら、じっとしとらんか!」
「いで、いでで!」

思わぬ成り行きに口をあんぐりしていたお久と、お絢だったが久はさすがにこの道長く、

「鱒添の旦那、未通の菊門にいきなりは御無体。『通和散』をお使いなさいまし」
 

通和散というのは、男色の大家平賀源内からお久が教わった樹滑剤で、山芋の粉末が主な成分だがそれを唾で湿らせると、ズブリズブブ・・・・と良い具合なのであった。

実は最近湿り気が少なくなって来たお久も、三郎次との逢瀬に使っているのであった。

「ねえ、お久さん、あたいたちバカみたい」
 

とくんずほぐれつのハシゲ右衛門と鱒添を横目で見ながら、唇を尖らせたのはお絢だ。


「せっかく、後門も洗いほぐして準備していたというのに」

後ろに対しては、貫通による痛みをやわらげるために塗り込める薬が実はあり、これもお久が平賀源内から伝授されたもの。


直腸に硫酸銅を塗り込め粘膜を麻痺させ感覚を鈍くし、続いて山椒の粒を入れると痒くて痒くて、何か入れてもらわねばたまらなくなるので、陰間茶屋の売り子の訓練に使われていた。


先ほど、お久から四つん這いにさせられ硫酸銅と山椒の粒を菊座から、指で塗りこまれていたお絢にも、今、チリチリと隔靴掻痒感が訪れ、こすってもらわないと我慢できない状態、

「ああもう、辛抱たまりませぬ、はよつついておくれ!」
 

と、お絢はハシゲ右衛門に乗りかかっていた舛添久根の背中を打ち叩き、


「はよ入れてくんろ! おら、もう辛抱できねーだよぉ、後ろから前から、どーぞ!」
 

これが実は、後に江戸で大流行(おおはやり)した小唄のきっかけとなった言葉であった。

続く

 性的な表現と同性愛が不快な方は、スルーなさってくださいませ。
(なお登場人物は実在してはいません)



 さすが鮮人。鱒添の相手は男女、前後、年齢を問わぬ。
 死んだ女もしてみたいとて、お久がくたばったとき、鱒添は買うことになっていて、さすが高窓屋お久、死後まで計算高いと女郎業界の評判なのであった。
 

ハシゲ右衛門といえば、慣れない感覚に最初は痛いやら、気持ち悪いやら「桜井のばかやろー、痛えわよぉ、あーん、お前が帰れー」と関係もない御仁に当たり散らし、ひぃひぃと泣いていたのだがそのうち、妙な気分になって来て、前立腺を突かれながら前をいじくられると、頭のなかが真っ白になるほどの桃源郷。


「あ、あにき、こんなん初めてや! あぅ・・・・んっ、もーもー、いやん、やめて、やめないで、もっともっと、種付けしてくれニダ、兄貴もきもちがいいニカ? 今、おいどを締め付けてみたけど、感じるニカ? ぱチンコがこんなに気持ちいいなんて、タマに病みつきよぉ、あたし、はマル、ハ~ン、孫さま~」
 

と桃色狂乱の中でのうわ言は、自然に半島オネエ言葉となり、ハシゲ右衛門が若かりし頃商売で関わっていた飛田のチョンの間ねーさんのように、艶かしく鱒添を流し目でみた。そういえば、ハシゲ左衛門は「チョン」の間だから、そこと関係を持ったのかと、巷では噂だが真偽の程は定かではない。


嗜虐の趣味がある鱒添久根は続きを請うハシゲ右衛門を突き放すようにひきはがし「アイゴー!」と嘆くハシゲ右衛門を畳の上に蹴りを入れすっ転がして、今度はお絢にのしかかり前、後ろと突き続け、それで気をやってもまだ旺盛、今度はお久の前をやり、次に・・・



「だ、旦那、あたしそこはっ! そこだけは、まだ前人未到の処女雪なんでございますよぉ、やめてくださいまし!・・・・ぎゃっ、いで、いでで・・・・でーお、いででいでで、いででーお、ってこれが分かる人は、相当な婆あだわね、それはともかく旦那、通和散を、あたしにも使ってくださいまし!!」
 


すると鱒添久根は、



「かんみた垂れマン垂れミバナーナ」と
お久の「でーお」に返歌をして、


「けっ、婆あのユル門のくせしてくさ、一丁前に言わんとたいね! 辛抱するニダたいねっ!!」
 


今や、郷里福岡ともっと郷里半島の言葉が入り交じる鱒添久根なのであった。
 ハシゲ右衛門は閨(ねや)の衣装遊戯のためにお久が用意してあったチマチョゴリを身にまとい、



「南北統一、道州制、ウリの悲願でっせニダ!!」
 

と、夜空の満月にコンスでご挨拶したのだった。
 

それから四人は入り乱れ、くんずほぐれつ、


「後ろから前から、どーーーぞ!!」と全員で叫びながら、し狂ったのであった。

 そしてその声は遥か出雲の国にまで届き、

つづく

*注 作品中のお久と鱒添久根の掛け合い「で~お、イデで~お」と「垂れマン、垂れみばなーな」はジャマイカ民謡「ばなな船」から来ています。http://www.youtube.com/watch?v=hpjlPE09BhY

この歌をBGMに作品を読まれると、ひときわ味わいが増すゾエ。

 

浜村美智子 バナナ・ボート

 

 性的な表現と同性愛が得意な方だけお読みください。

18
登場人物は実在してはいません

 

そしてその声は遥か出雲の国にまで届き、

「はて、そら耳なのか、妙な声が江戸から聞こえてくるような」

と神官の装束を解きながら、受け口の栗麿が言うと、


「そんなもの、どうでもいいから、やること早くしちゃいましょう」


 と、狐目の女はお典であり、何しろ成婚からもう日が経っているというのに、初夜がまだだった。
早く、

「閨のお式が滞り無く終わり、ほっと致しました」


と栗麿の両親とお久、それから変態毎日瓦版に報告せねばならぬのに。

お典は栗麿の返事も待たず、ふんどしの結び目にむんずと手をかけ、クルクルとほどいていく。


「あ~れ~、お代官様お許しくださいませぇ」


白いぽっちゃり気味の裸でクルクルと独楽のようにまわりながら栗麿は叫び、これが成婚以来唯一の夫婦の営みであるのだが、お典は心につぶやいていた。

 

(やってらんねーし。はめるなら、とっとと、はめんかい、うっとうしい。朝勃ち狙いでまたがれってお久婆に言われたけど、床どころか部屋まで別だなんて。もう、がまんできないわっ)

 

「あっ、お典、なに、なにするのよぉ、いやぁ、やめ・・・・やめてよぉ・・・・う゛・・・・


・・・・・・・・・・・あらお上手。

そっ、その舌遣いは・・・。あんた遊んでたのね。やだ・・・。

 

まっ、玉から蟻の戸渡りまで渡るそのチロチロとした舌遣い、


く・・・・・うくぅ・・・・・・はぁ・・・・・あんっ・・・・・・

彼すらしてくれたことないのに、

さては・・・・お久の・・・・・・お仕込みね・・・・。

やだぁ、元気に・・・・・・・・なって来たじゃないの、

乙女心の純情を裏切るオレの体がみにくいわ、

悲しいわ、不浄だわ、き、きもっちいいぃぜーーーー

祓い給い清め給え。

あの男(ひと)への裏切りだわ、許してぇ●●さん(名を秘す)あ゛――――――っ」


こうして、栗麿は高天原へと駆け上ったのであった。

つづく

 

その頃かつて栗麿が奉職していたある江戸の神社に、短髪細身ではあるが筋肉質の、年の頃四十五歳程度の男がご祭神に祈願を凝らしていた。

「オレの愛しい栗麿が、ちゃんと出来て、子を生し跡継ぎの義務を果たせますように」

 それが叶わぬうちは、もう逢わぬと心を鬼に栗麿に言い渡したその男は●●であった。

 いなせな着流し姿で、雪駄の音を石畳に密やかに鳴らし家路を辿っていると物陰から、

「ちょいと、お兄さん。あたいと、遊ばない?」

見れば頬かむりにござを抱えた女。

月明かりにその顔を見れば、最近とんと顔を見なくなった鳩山雪乃進の女房、お幸に酷似。

 「わりいな、俺は女と朝鮮人とはしねーんだよ」

言い捨て背中を向けた●●に、お幸に似た夜鷹は、

「ふんっ!! 男女の友愛も知らない半端者がっ!! あたしゃねえ、朝鮮花形役者のイ・ドジンに一度は抱かれた女なんだ、見損なうんじゃないやいっ!!」そして、

「Youあんど I、ゆうあい! 二人であの満月をパクっと食べて、オカマ形の円盤で、フライミーツーザ・ムーンさ、あはあはあああ、キョえー」

と叫んだその目の光が江戸城のお雅こと雅姫に似ていたが、誰も見る者はいなかった。

 その夜、●●は老いた夫婦の行き倒れを見た。

 南蛮渡来の雑貨を扱う大和田屋の夫婦に似ていた。

大和田屋の恒右衛門に面差しが酷似した男は、「もっと銭を」とつぶやきこと切れ、お優美に似た女は「お雅がくすねてきた宝石さえあれば、今夜のご飯が食べられたのに・・・・・最近はちっとも、おあしの種が入ら・・・ない・・・・わ。ああ、ひもじい」

 そして、動かなくなった。

 その二人のまわりを、餓死した犬の霊がくるくるといつまでも回っているのであった。

そして、その頃お雅は、

江戸城の厠で本日三度めの排泄をしている頃であった。

風呂に入らぬので、便器の水に沈んでいるものの臭いと体臭が混じり、お陰で住まいにはゴキブリも蚊も寄り付かぬのであった。

 お雅は、いきなりガンっと厠の壁をげんこつで殴った。

 殴りたこができていて、痛みはもはや感じない。

「そうだ、あしたは麻布の幽霊華で飯食って、その後『てはに』で、新作のかんざしを買おうっと。ぐふ、ぐふふふ」

 ぶーっと広い厠を揺るがすほどの、自ら発した音声にも気づかぬようにお雅は落とし紙をもんだ。

入浴はとっくに止めていたが、まだ紙を使うことだけはかろうじて出来ていたが、腰巻きを変えさせようとする女官は皆、殴って馘首するので、腰巻きが今は雑巾のように腰から垂れ下がっている。

前の部分についたシミは心なしか、祖国の半島の形をしていて、お雅の心をつかのまなごませる。

 膨れ上がった腹が邪魔をして、なかなか便器から立ち上がれない。

 ようやく立ち上がり、腰巻きの紐を結んでいると、厠の戸を叩く者がいる。

「雅子さん、長いですね。そろそろ交代しい、出んか?」

 そう言った男の、指先をいきなり横合いから現れた少女が掴み、捻り上げた。

「アイゴー」とお雅の影響の朝鮮語なのか、その子の名が「アイゴー」なのか判らなかったが、男は指を骨折した。

「ま、痛いですよ、ま、わたくし痛いですよ! まっ、人格の否定と申しますか、あっ、いでで。痛いでございますぅ」

 でーお、いででーお、とどこかでお久の声がしたような気がしたが、これは最近よく聞く幻聴であろうと、思うお雅であった。

 「痛いですぅ」と甲高く叫んだその男に向かってお雅は、

「うっせ、どハゲちび」

 と額を小突き、すると男はよろよろよ後ずさり、壁にぶつかったとたん頭から黒い蝶のように部分かつらが飛び上がり、しばし宙を舞ったのであった。

 男の片足から靴がもげ、分厚いカーペットの床に転がっていたが秘密の底上げハイヒールであった。

 この男はふだんから、つま先立って歩き、お雅から「ふん、また白鳥の湖を踊ってるの? た~たりらりら~♪ お前は頭が足りんらりらー」

 と小馬鹿にされていた。

男は床に転がったまま、うっすらと笑みを浮かべていた。

お雅に殴られ蹴られ、アイゴーに指を折られて、嬉しいのか悲しいのかそれも、もはや解らなくなっていた。

 酒が、欲しい・・・・・。

 「アイゴー、夕飯食うぞ」

 とお雅は、何が目の前で起こっているのか理解できないのか、ぼーっと無表情に、足をぐにゃりと、手を硬直させて突っ立っている娘を振り返ったが、アイゴーと呼ばれた少女は返事をしない。

 お雅は能面のように無表情な、アイゴーの手首のツボを押した。

するとアイゴーは、

「はじがどごぜばず」

と声を発し、少し笑み、かっくんかっくんと歩き始め、それから誰もいない庭の闇に向かって、左手を振ったのであった。

「だめおー、だめだめ」

と要らぬことを言いながら、お雅の前に立って歩き始めたので、お雅はその後頭部を張り倒し、アイゴーは仰向けに倒れ「はじごどごぜばず。だのじびにじでばず」と言い、鼻をすすり上げた。

 時計はあたかも亥の刻、現代時間で夜の十一時を示していた。

 

 

その頃、高窓屋の一室では鱒添に四つん這いに組み敷かれたお久が、

「だ、旦那後ろをつつかれると、大きいのをちびっちゃいそうでございますよぉ。お尻を刺されるとは思わなんだので、イデデ、洗浄もしておりませんのに、あうぅ。いてっ、いででーお、大きいの出ちゃうよぉ」

 と刺されながら訴えるお久に、鱒添久根は、

「ひりな。俺が食う」

筋金入りの鮮人なのであった。

しかし、お久も何たる性根、

「出すものはおならだって惜しむこのあたし、あたしのブツに旦那、いくらお払いだえ?」

 そして、お久を刺す鱒添におおいかぶさるように、腰を動かしているのは後ろを開発されたばかりの、ハシゲ右衛門。親ガメの上に子ガメが乗ったあんばい。

「おれだって、兄貴のに入れたいぜ」

と致し始めたはいいが、ゆるゆる。がばがば。

その行政と同じく節度と緊張感のない、朝鮮あぬ巣であった。

お絢はといえば、初夜でいきなり前後をやられ、前後不覚とはこのこと、いびきをかいて爆睡中。

障子に開けた穴からこの場の様子を盗み見ていたお承は、

「ああ、もうだめ。ただでいいから、鱒添の旦那、ハシゲ右衛門の旦那、やっておくれえな。えげれす仕込みの六十九をお望みかい。それとも尺八を吹き鳴らそうか?」

 実はお典に舌技を教えこんだのは、誰あろうこのお承。

 

その頃出雲では、起き上がった栗麿の分身にまたがったお典が、素早い上下運動、たった三こすり半で、

「うっ」

とうめいた栗麿。

短髪細身筋肉質四十五歳の相方を思いながら耐えた時間が存外短かったのは、婚約が決まってからこのかた相方とは会っていず、溜まっていたからであろう。

「ちっ。文鳥なみに、はえーわ」

 とお典は忌々しげにつぶやいたが、種は仕込んだ。

うまいこと孕めよな、と見上げた出雲の満月。世継ぎさえなせば、後は好き放題の約束。

日銭の賽銭ももらえる。

目をつけた、若いピチピチとした神官見習いが二人いる。あれらと、あげる閨の祝詞が楽しみだ。一人は、うぶな桜男だと踏んだ。指図しながらあれこれと、むふふなことをしようと、お典の頬は緩む。

何も好き好んで「おっさん乙女」とくっついていることはないのだった。

この人はこの人の人生を歩めばいいわ、私は私の道をゆく。
お典は下腹に溜めた精をこぼさぬよう、ゆっくりとした足取りで栗麿の寝室から出ると、自室へと向かったのだった。

そして栗麿は横座りして、月に妻の出産を祈っていた。

晴れて妻が子をなせば、すぐにでも飛んでいける江戸。

「会いたいわ・・・・」
栗麿の菊座は、ほの紅く色づき、ひくひくと伊勢名物活きあわびのようにうごめいて、恋男を恋しがっていた。

 

 

その頃、同じ月は朝鮮半島も照らしていた。鱒添の心の女王様、パックン・クネクネ女史が紅いピンヒール、鞭を片手に・・・・

あ、いえ・・・こちらは書くと拘禁されてしまう。

鶴亀鶴亀。

おしまい。

 

 


Viewing all articles
Browse latest Browse all 3008

Trending Articles